朧咲夜1-偽モノ婚約者は先生-【完】
side流夜⑦
「ふーん。春芽さんの企みねえ」
「そういうわけだから。口外すんなよ」
「どーしよっかなー」
一通り話を聞いた遙音はにやにやするばかりだ。
こういった情報を悪用する遙音ではないが、乱用されては困る。
「お前も後輩苦しめたいわけじゃないだろ」
「そうだけどな」
遙音は少し机から距離を取った。
「今度華取のメシ、また食わせてくれたら黙っててもいい」
「……華取に頭でも下げて頼んで来い」
「やだなー。神宮のを横取りするのがいいんじゃん」
「……お前は吹雪の影響も受け過ぎだ。あまりあいつらみたいになるなよ」
「そこまで影響受けてる気はねーんだけど……。ちょっと気をつける」