朧咲夜1-偽モノ婚約者は先生-【完】


「えっ? えっと……はい、そうしてください……?」
 

私が言ったこと、ちゃんと聞いてくれた? 


なんか言葉が端的で、大分行動との間に脈絡がないけど……。


「ただ、ソファで寝るから、十分で起こしてくれないか」


「だ――」
 

また私事する気だな――、そう思ったのに、先生は全然違うことを言った。


「心配することと、大事にはしていいんだろ? 華取を一人にしておくのは心配だし、出来るだけ傍に居たいと思う」


「………」
 

はい? 先生……熱が増しているんだろうか。


朦朧としているんだろうな。


「わかりました。時間で起こしますから……」


「うん」
 

先生はまた短く肯いて、大人しく離れて行った。


……お、おお? 急な態度の変化に困っちゃうんですが……。

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