朧咲夜1-偽モノ婚約者は先生-【完】


「先生」


「あ、ああ……」
 

申し訳なく思っているのか、先生の声も引き攣っていた。


「私今ものすごくドキドキしてます」


「………」


「なんだったら今、吊り橋効果で恋に落ちるかもしれません」


「それは使い方少し違わないか? なんだったら落ちてもらっていいんだが」
 

なんか戯言(たわごと)を言われた。


「なので、包丁の使い方を覚えるまでは一人で使わないでください。怖いです」


「……すまない……」
 

先生、色々と極端に壊滅的だな。

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