朧咲夜1-偽モノ婚約者は先生-【完】


あなたはいつも笑ってゆるしてくれました。でも、わたしはわたしをゆるせませんでした。
 

そして、とうとう……。
 

咲桜は、生きています。一緒に死んでしまおうと思ったことは、否定できません。でも、出来なかった。
 

咲桜に望める幸せを、私は奪えなかった。
 

どうかお願いします。今までわたしにくださった愛情、総て咲桜にあげてください。あの子はわたしの罪咎とはなんの関係もありません。ただの子供です。そして、あなたの子供でいさせてください。
 

図々しいお願いばかり、すみません。
 

咲桜を、在義さんの娘として育ててください。
 

わたしのことは、話さなくて構いません。
 

咲桜、愛しています。でも、わたしは咲桜の幸せの邪魔になる。在義さんの未来を壊すだけになる。
 

ここで退くこと、どうか。
 

ゆるさなくていいです。ただ、わたしのことは過去として、お願いです生きてください。
 

愛しています。愛していました。
 

いただいた愛情を、少しも返せなくてごめんなさい。』

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