Sugar house ~恋、売ります~
第1話 噂に踊らされる馬鹿な人達。
「ねぇねぇねぇ!これやばくね?」
昼休みの教室は騒々しい。
スクールカーストの頂点...所謂『A軍』のクラスメイト達が弾けたように話し始めるからである。
この教室はいつの時代かと疑うほどの『身分制度』がある。A軍、B軍、K軍っていう括りで分けられていて、私...西風未傘は一番下のK軍だ。
因みにK軍の『K』は圏外のK、なんだとか。まぁどうでもいいことだけど。
とは言えK軍で困ることなんてほとんど無い。元々派手な女子とかと仲良くしたいなんて願望持ち合わせてないし、別にいじめられるわけでも無いからむしろ気が楽。同じK軍の子といれば、孤立することもない。
地味で波風の立てない生活って、ほんっとに楽だわ。
ただ...ひとつ面倒なのは、いちいちA軍の子が煩いって事だけど。
自分と世界が違うって見下しているなら放っておいてくれたらいいのに、何かにつけてあの子達は私達に絡んで馬鹿にして、鼻で笑うのだ。
好きな芸能人を合わせる気なんて無いし、コアなアーティストを好きでも誰にも迷惑かけて無いし、趣味なんて人それぞれなのにね。
まぁ、あれだ。私は特に冷めてて面白味の無い地味なモブってことよ。
「ねぇーねぇ、ミカサー!これこれ、カッコよくない?」
ほら、また...。
A軍の中でもかなり頂点にいる、ギャルの新名聖衣良がニヤニヤしながら雑誌を見せてくる。
面白くもねぇのにニヤニヤ笑うなよ。マジで嫌気がさすわ。
でも必要以上に孤立したくないしな。ここは頷いておくが得策。
「うん、超カッコイイね」
「だーよねーぇ!ミカサから見てもかっこいいなら、人類全員が認めたも同然だわ」
私は世の陰キャ代表か。別にいいじゃん、やる事はやってる。アンタらにいつ迷惑かけたの?
面倒臭いなぁ...ホントに面倒臭いことばっかだなぁ。
消えてくれなんて思わない。ただ、わざわざこっちの世界に踏み込んで来なくていいんだ。
あー、暗い暗い。...知ってるよ。
卑屈になりすぎ。そりゃこんな奴圏外で間違いないわな。
見下されて当然だよ。こっちだって物事を上から見下げて心の中で笑ってるんだから。
でもコレ、性格だからね。1日2日で治せるようなもんじゃないんだわ。
だからやっぱり、静かな世界で息をさせて。
まだ、もう少し眠らせて。
そんな私が『その店』の噂を聞いたのは、いつものように騒がしい昼休みのことだった。
K軍の友人である伶奈やななっちと話していると、A軍の生徒達がドッと沸いた。
「るっさいなぁ...」
伶奈が長めの前髪を揺らしてボソリと呟く。
控えめなななっちは「まぁまぁ」と困ったように微笑んでるけど、明らかに2人とも迷惑そうだ。もちろん、私も。
今日は何の話題だろうな...ってか声かけられたくないな。面倒だし。
『嫌な奴から身を守れるお守り』とかないかな。少々高くても買うんだけどな。
そんなネガ全開の祈りも虚しく、今日も新名が笑いながらこっちに近づいてきた。伶奈、ななっち、ごめん。私目ぇつけられてるかもだ...。
昼休みの教室は騒々しい。
スクールカーストの頂点...所謂『A軍』のクラスメイト達が弾けたように話し始めるからである。
この教室はいつの時代かと疑うほどの『身分制度』がある。A軍、B軍、K軍っていう括りで分けられていて、私...西風未傘は一番下のK軍だ。
因みにK軍の『K』は圏外のK、なんだとか。まぁどうでもいいことだけど。
とは言えK軍で困ることなんてほとんど無い。元々派手な女子とかと仲良くしたいなんて願望持ち合わせてないし、別にいじめられるわけでも無いからむしろ気が楽。同じK軍の子といれば、孤立することもない。
地味で波風の立てない生活って、ほんっとに楽だわ。
ただ...ひとつ面倒なのは、いちいちA軍の子が煩いって事だけど。
自分と世界が違うって見下しているなら放っておいてくれたらいいのに、何かにつけてあの子達は私達に絡んで馬鹿にして、鼻で笑うのだ。
好きな芸能人を合わせる気なんて無いし、コアなアーティストを好きでも誰にも迷惑かけて無いし、趣味なんて人それぞれなのにね。
まぁ、あれだ。私は特に冷めてて面白味の無い地味なモブってことよ。
「ねぇーねぇ、ミカサー!これこれ、カッコよくない?」
ほら、また...。
A軍の中でもかなり頂点にいる、ギャルの新名聖衣良がニヤニヤしながら雑誌を見せてくる。
面白くもねぇのにニヤニヤ笑うなよ。マジで嫌気がさすわ。
でも必要以上に孤立したくないしな。ここは頷いておくが得策。
「うん、超カッコイイね」
「だーよねーぇ!ミカサから見てもかっこいいなら、人類全員が認めたも同然だわ」
私は世の陰キャ代表か。別にいいじゃん、やる事はやってる。アンタらにいつ迷惑かけたの?
面倒臭いなぁ...ホントに面倒臭いことばっかだなぁ。
消えてくれなんて思わない。ただ、わざわざこっちの世界に踏み込んで来なくていいんだ。
あー、暗い暗い。...知ってるよ。
卑屈になりすぎ。そりゃこんな奴圏外で間違いないわな。
見下されて当然だよ。こっちだって物事を上から見下げて心の中で笑ってるんだから。
でもコレ、性格だからね。1日2日で治せるようなもんじゃないんだわ。
だからやっぱり、静かな世界で息をさせて。
まだ、もう少し眠らせて。
そんな私が『その店』の噂を聞いたのは、いつものように騒がしい昼休みのことだった。
K軍の友人である伶奈やななっちと話していると、A軍の生徒達がドッと沸いた。
「るっさいなぁ...」
伶奈が長めの前髪を揺らしてボソリと呟く。
控えめなななっちは「まぁまぁ」と困ったように微笑んでるけど、明らかに2人とも迷惑そうだ。もちろん、私も。
今日は何の話題だろうな...ってか声かけられたくないな。面倒だし。
『嫌な奴から身を守れるお守り』とかないかな。少々高くても買うんだけどな。
そんなネガ全開の祈りも虚しく、今日も新名が笑いながらこっちに近づいてきた。伶奈、ななっち、ごめん。私目ぇつけられてるかもだ...。
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