Sugar house ~恋、売ります~
パタパタと必要以上に上靴を鳴らしながら、新名が私に近づいてくる。
ピタリと机の前で立ち止まり、新名はそのグロスをたっぷりと塗りたくった唇を歪めて言った。
「ねぇねぇ、ミカサー?知ってるぅー?」
「え...?何?」
何の話題だろうと多分知らんから話しかけて来んな。絡んでくれるなよ、鬱陶しい。
伶奈とななっちが肩を揺らして俯く。そんな2人をちらりと一瞥し、フッと口だけで笑ってから新名が続けた。
「この近くにね、『恋』を売ってくれるお店があるんだって!」
「...は?」
思わず間抜けな声を漏らしてしまい、私は慌てて片手で口を塞いだ。馬鹿じゃないのアンタ、と言わなかっただけ良い。
いや、でも...そりゃ低レベルな奴らだなって思ってたけどさ。『恋』を売ってくれる店?何そんなファンタジィーなこと言っちゃってんの。
とりあえず適当に流しておくしかない。私は「うーん、知らない...」と首を傾げて見せた。さぁ、さっさと諦めて帰れ。
そんな願いも虚しく、彼女は嬉しそうに語る。
「あのね、極秘だからホントは誰にも言っちゃダメなんだけどー、まぁそんなに知りたいんならトクベツに教えてあげるー」
いや、誰も教えてほしいとか言ってねぇし。
K軍3人の冷ややかな目線にも気づかず、新名は鼻を膨らませながらマシンガンのように話し出した。
「その店さぁ、フツーにみんなが行けるってわけじゃないわけ。ホントに必要な時に現れるんだってよ?すごくね?」
「...はぁ...」
「あっ、これちなみに嘘じゃないからね!恋愛が上手くいってなかった女の子がふらっと迷い込んだ先にあって、『恋』を売ってもらったって。それで彼氏と上手くいってゴールインしましたー、ってtwitterにあがってたし!」
...信憑性うっす。
呆れて何も言えない。とりあえず「はぁ、超すごいね。やばいね」と相槌を打って流しておくと、新名は満足したようにその場を去っていった。
私は申し訳なくなって玲奈とななっちに向かってパンッ!と手を合わせる。
「ごめんね2人とも...あんな下らないこと聞かせちゃって」
「...未傘は悪くないんじゃないの。あいつが勝手にペラッペラ喋ってただけじゃん」
そう毒づく伶奈と、同意するようにコクコク頷くななっち。
ピタリと机の前で立ち止まり、新名はそのグロスをたっぷりと塗りたくった唇を歪めて言った。
「ねぇねぇ、ミカサー?知ってるぅー?」
「え...?何?」
何の話題だろうと多分知らんから話しかけて来んな。絡んでくれるなよ、鬱陶しい。
伶奈とななっちが肩を揺らして俯く。そんな2人をちらりと一瞥し、フッと口だけで笑ってから新名が続けた。
「この近くにね、『恋』を売ってくれるお店があるんだって!」
「...は?」
思わず間抜けな声を漏らしてしまい、私は慌てて片手で口を塞いだ。馬鹿じゃないのアンタ、と言わなかっただけ良い。
いや、でも...そりゃ低レベルな奴らだなって思ってたけどさ。『恋』を売ってくれる店?何そんなファンタジィーなこと言っちゃってんの。
とりあえず適当に流しておくしかない。私は「うーん、知らない...」と首を傾げて見せた。さぁ、さっさと諦めて帰れ。
そんな願いも虚しく、彼女は嬉しそうに語る。
「あのね、極秘だからホントは誰にも言っちゃダメなんだけどー、まぁそんなに知りたいんならトクベツに教えてあげるー」
いや、誰も教えてほしいとか言ってねぇし。
K軍3人の冷ややかな目線にも気づかず、新名は鼻を膨らませながらマシンガンのように話し出した。
「その店さぁ、フツーにみんなが行けるってわけじゃないわけ。ホントに必要な時に現れるんだってよ?すごくね?」
「...はぁ...」
「あっ、これちなみに嘘じゃないからね!恋愛が上手くいってなかった女の子がふらっと迷い込んだ先にあって、『恋』を売ってもらったって。それで彼氏と上手くいってゴールインしましたー、ってtwitterにあがってたし!」
...信憑性うっす。
呆れて何も言えない。とりあえず「はぁ、超すごいね。やばいね」と相槌を打って流しておくと、新名は満足したようにその場を去っていった。
私は申し訳なくなって玲奈とななっちに向かってパンッ!と手を合わせる。
「ごめんね2人とも...あんな下らないこと聞かせちゃって」
「...未傘は悪くないんじゃないの。あいつが勝手にペラッペラ喋ってただけじゃん」
そう毒づく伶奈と、同意するようにコクコク頷くななっち。