廻転依存性
ケアレスミス
この世は金に光る楽園だ。そこかしこに金の成る木が茂っている。
その木の種は、全人類が知らないうちに一つ二つと持っているものだ。
3億当選宝くじ、ヒット小説、爆売れアイデア商品。
今握る鉛筆1本から、のちに莫大な利益を生むことになる何かが誕生するかもしれない。金の眩しさに目を瞑らなかった者が巨万の富を得るのか、その光から目を逸らし無欲に生きた者が勝つのか、それは誰にも分からない。
この世は悪夢そのものだ。
神の身勝手で生を受けた赤ん坊が、考える余裕もなくそのふらつく足でひたすら辛い道を突き進むことになる。望まない壁にぶつかり、打開策を強いられる。ゴールの見えないそんな闇が延々と続く。
闇の中を己を信じて歩み続けたものに待つのは光か否か。それは誰にも分からない。
笑うも泣くも結果論でしかない。
しかし人生を大きく変える些細な点がそこら中に転がっているのも事実。
YouTuberやプロゲーマーなど、かつて人々が趣味・娯楽として手を伸ばしたものが今では消費者にとっても立派な商売道具と成り代わっている時代。数年後もまた、誰も予想しなかった新たな職業が誕生することだろう。
そう、人生の転機は案外身近にあるのかもしれない。
もしそれを予知することができれば、それらの最先端を牛耳ることができるのではないか。世界一の大富豪になれるのではないか。そう考える者も少なくないだろう。はたまた、予知ではなく過去をやり直したいと考える者もいるのではないか。
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