可愛い友達
行こうとするあたしの手首を、がしっと
ユウキが、つかんだ。
な、なに?…離してよ!
…やだ。
や、やだってなによ…。
ごめん。俺…
ごめんって言わないで!
自分でも、よくわからない感情で、
気づいたら叫んでいた…。
ハル…。
…謝らないでよ。
余計…みじめになる…。
もういいから…!
あたしのことは、気にしないで。
別に、ユウキは何も悪くないでしょ?
もう、ほっといて!
やば…また泣けてくる。
見られたくない。
顔を見せないように、ユウキから目をそらす。
あたしの手首をつかんだまま、
ユウキは、静かに言った。
違うんだ…。違うんだよ。ハル。
男友達としか、見られてないって…
思ってたんだ。
男友達でいなきゃいけないと…
思ってたんだよ。
それでも…楽しかったからさ。
いつも俺の隣にいてくれたじゃん?
だから…あー…もう、うまく言えねーけど!
俺、だいぶ我慢してたんだかんな!
…は?
なにを…逆ギレてるのかな?あんたは?
ほら!そうやって口悪かったりするくせにさ、
時々…アホみたいに女っぽいしさ。
…アホはないよね?
あの、さゆって子と腕組んでるの見て、
なんか、こう、イラっとして。
つい…俺…あんな酷いこと…。
泣かれるなんて…思わなかったんだ…。