可愛い友達
ユウキの電話。
さっき、あたしがリードをやれと言われた曲を
明日、練習しようという話だった。
練習無い日だから、人数そろわないけど、
あたしとユウキのパート交換だから、
いなきゃいないでもいいし。と。
さゆに説明すると、予想した通り…
あたしも行く!ね?いいでしょ?
お願い!と、笑う。
お願い…されてるんだけど、
相手に有無を言わせない頼み方…。
うまく断れるわけない…。
結局押し切られ、明日の集合時間を
教えて別れた。
あたしは…バカなのか。
さゆが、ユウキを気に入ってしまった…。
あたしと…さゆ…。
勝てる気が…全然しない…のに。
なんであたしは、断れなかったの。
嫌な予感しかしない…。
さゆに見つめられたら…
きっとユウキは、さゆを好きになる。
そんなのやだよ…。
どうしよ…。どうしたらいい…?
今から、うまいこと断る理由を考えてみよう。
さゆに…会わせてしまったら…
間違いなく、ユウキは恋に落ちてしまう。
それだけは…嫌。