可愛い友達

さゆには、なんの罪もない。
あたしが、ユウキを好きなことなんて、
知らないんだから。

勝手に焦って、勝手に妬んで…
勝手にいじけてるだけ。

ただそれだけ。

じゃあ…あきらめる?
さっさと、身を引く?
ユウキのこと好きな気持ちは封印して…
さゆの恋を応援する、いい友達する?

…あたしって…カッコつけだな…。

正々堂々、戦いもせずに。
惨めな姿さらしたくないからって。

もう!どっちが女々しいのよ。
こんなあたし、好かれなくて当然じゃないの。

さゆは、素直で、明るくて、いつも前向きだ。

妬む前に…あたしが変わろう。
ほんとに欲しいなら、カッコ悪くてもいい。

さゆにも…話そう。
友達だもんね。

ユウキはあたしのものじゃない。

ユウキが、さゆを好きになったとしたら…
その時に、泣けばいい。

うん。それがいい。
その方が、よっぽどいい。

あたしはあたし。
さゆはさゆ。

好きな気持ち、捨てないでおこう。
実る前に枯らしちゃ…可哀想だよね。



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