高桐先生はビターが嫌い。
「…パス」
「えっ」
「何もしないよ。先生が絡んでるってことは、何かめんどくさそうだし」
そう言うと、あたしは席を立つ。
トイレにでも行くかな。
そう思っていると…
「でも、高桐なら楽勝じゃね?簡単に聞き出せるかもよ?アイツまだ新米だし」
「!…」
ふいに呼び止められて、あたしは後ろからそんなことを言われる。
けど、
「大丈夫」
「?」
「あたしに良い考えがあるから」
あたしは仲間達にそう言うと、やがて教室を後にした。
…平気。誰かに手伝ってもらわなくても。
最近の市川は面白くないから、あたしがその理由をこっそり探るんだ。
とりあえず、今日は独りで市川と日向を尾行してみよう…。
…………
それから、数時間が経過した放課後の教室。
あたしは横目で市川を見ると、市川は何やらまた日向に声をかけていた。
「…?」
…何を、話してるんだろう…。
そう思いながら、帰るフリをしてさりげなく隣を通ってみると…
「だって…しゅ、宿題…わかんないじゃん」
「ああー…そっか。確かにね」
「??」
…宿題?
って、市川って…宿題とか真面目にやるタイプだったっけ。
あたしは2人のその会話に首を傾げると、
一旦そのまま教室を出て…その後職員室に向かうらしい2人の後をつけた…。