高桐先生はビターが嫌い。
…………


高桐先生や後藤先生は普段はあまり買い物をしないようで、2人はあたしの買い物にただただ付き合ってくれた。

こうして一緒に買い物をしていると、普段は見れない先生の一面を見られるようで…凄く嬉しい。

だけどやっぱり、あたしは高桐先生のことが好きだから、後藤先生の前だとわかっていても、前回の遊園地の時と同様、

「かわいいよ」なんて高桐先生に言われて褒められると、それが嬉しくて思わず欲しくなってしまう。



「おい生徒を口説くな。どさくさに紛れて口説くな」

「いやそんなんじゃないし」

「あぶねー教師だな」



後藤先生はそう言うと、半ば冗談で高桐先生からあたしを遠ざける。



「やめてよー、悲しくなっちゃう」

「何それ、」

「…あ、これかわいい!ねぇコレ日向さん似合うよ、」

「!」



そして高桐先生はまたトップスを見つけると、それをあたしにあてがう。

…こういうのが高桐先生の好みなのか…覚えておこう。

あたしは頭の中でメモをすると、「ほんとだ」なんて高桐先生と笑い合った。

…しかし。

そう言って、笑い合っていると…



「…なんか」

「…?」

「変じゃね?」

「!」



不意に突然、あたし達の様子を見た後藤先生が…そんな言葉を口にした。
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