高桐先生はビターが嫌い。
知らない時間。
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とある金曜日の夕方。
マンションに帰って、さっきスーパーで買ってきた食材を袋から取り出して。
ふと時計に目を遣った。
…今の時刻は、18時過ぎ。
今日の夕飯は、ラザニア。
昨日の夜、高桐先生に何が食べたいか問いかけると、返ってきたその答えがラザニアだった。
…ラザニアとか、作ったことないけど。
そう思いながら、一旦キッチンから離れてなんとなくテレビを点ける。
何か音が無いと、寂しいから。
だけど、そう思いながら作り始めようとしていると…
その時。
ふいに玄関で、チャイムが鳴った。
「はーい?」
高桐先生かな。
いつもと似たような時間帯にチャイムが鳴るから、あたしはそう思っていつも通りに出迎えようとドアを開ける。
「おかえりなさ、」
しかし…
そう言いなが、思わず笑顔を浮かべると…
「どーもぉ」
「!」
ドアを開けて、出迎えたその瞬間。
相手が高桐先生だと完全に思い込んでいたのに。
そこにいたのは、まさかの後藤先生だった。
「…ご、後藤先生」
…ちょっと、ビックリした。
珍しいな、後藤先生が今みたいな時間帯に来るなんて。
そう思いながら、あたしは突然の後藤先生の登場に、目をぱちくりさせながら問いかける。
「…ど、どうしたんですか、珍しいですね」
しかしあたしがそう言うと、後藤先生が言う。
「いや、さ。明日休みじゃんと思って」
「そうですね。二連休」
「いきなりだけどさ、明日ちょっと付き合ってくんない?」
「!」