高桐先生はビターが嫌い。
…………
夕方。
いつものように部屋で晩ごはんを作っていると、その時玄関でチャイムが鳴った。
「はーい?」
高桐先生かな?
時計に目を遣ったあと、あたしはエプロンをしたまま玄関のドアを開けると…
「こんばんは」
「あ、ゆ、唯香さん…」
そこには、高桐先生…ではなく、唯香さんが立っていた。
まさかチャイムを鳴らした主が唯香さんだと思わなかったあたしは、内心少しビックリして言う。
「め、珍しいですね…唯香さんが来るとか」
「そう?あ、でも奈央ちゃんの部屋を見るのは初めてね。玄関だけでも篠樹くんたちの玄関と造りがちょっと違う」
そして、エプロン姿のあたしを見て言葉を続けた。
「…あ、もしかして今忙しかった?」
そう言って、少し心配そうな顔をするから。
あたしはすぐに首を横に振って言う。
「い、いえ!大丈夫ですっ」
「じゃあよかった。…えっと、これなんだけどね」
「?」
そう言って、唯香さんがあたしに見せたものは。
さっきから右手に持っていた、小さなケーキ箱。
それをあたしに差し出すと、言った。
「さっき、チェリーパイ作ったの」
「!」
「良かったら、奈央ちゃんも食べて」
そう言うと、いつもと変わらないかわいい笑顔でそれをあたしに渡す唯香さん。
チェリーパイなんて、食べたことがないから嬉しくて。
あたしはそれを受け取りながら、「いいんですか!?」なんて喜んでしまう。
「陽ちゃんのぶんはちゃんと篠樹くんのと一緒にあたしが保管してあるから、それは奈央ちゃんのぶんね。食べたら感想聞かせてよ」
夕方。
いつものように部屋で晩ごはんを作っていると、その時玄関でチャイムが鳴った。
「はーい?」
高桐先生かな?
時計に目を遣ったあと、あたしはエプロンをしたまま玄関のドアを開けると…
「こんばんは」
「あ、ゆ、唯香さん…」
そこには、高桐先生…ではなく、唯香さんが立っていた。
まさかチャイムを鳴らした主が唯香さんだと思わなかったあたしは、内心少しビックリして言う。
「め、珍しいですね…唯香さんが来るとか」
「そう?あ、でも奈央ちゃんの部屋を見るのは初めてね。玄関だけでも篠樹くんたちの玄関と造りがちょっと違う」
そして、エプロン姿のあたしを見て言葉を続けた。
「…あ、もしかして今忙しかった?」
そう言って、少し心配そうな顔をするから。
あたしはすぐに首を横に振って言う。
「い、いえ!大丈夫ですっ」
「じゃあよかった。…えっと、これなんだけどね」
「?」
そう言って、唯香さんがあたしに見せたものは。
さっきから右手に持っていた、小さなケーキ箱。
それをあたしに差し出すと、言った。
「さっき、チェリーパイ作ったの」
「!」
「良かったら、奈央ちゃんも食べて」
そう言うと、いつもと変わらないかわいい笑顔でそれをあたしに渡す唯香さん。
チェリーパイなんて、食べたことがないから嬉しくて。
あたしはそれを受け取りながら、「いいんですか!?」なんて喜んでしまう。
「陽ちゃんのぶんはちゃんと篠樹くんのと一緒にあたしが保管してあるから、それは奈央ちゃんのぶんね。食べたら感想聞かせてよ」