高桐先生はビターが嫌い。

あたしはそこまで言うと、「本当にごめんなさい」と陽ちゃんに謝る。

…でも一方の陽ちゃんは、イマイチ意味がわかっていなかったみたいで。

まぁ…そりゃあね。まだ、陽ちゃんには直接…やらなかったもんね。

あたしはそう思うと、言葉を続けた。



「…篠樹くんとの喧嘩」

「？」

「あれも、そうなの」

「…えっ！」

「篠樹くんとわざと喧嘩することで、陽ちゃんはあたしのこと心配して見てくれるって…思ったから。だからいつも、篠樹くんのことで悩んでるフリ…もした」



そう言って、今日送ろうとした画像のことや、奈央ちゃんにずっとラインで送っていた嫌がらせの話をしようとすると…



「…や、ちょっと。ちょっと待って」

「？」

「喧嘩？わざと？俺が…心配して…見る？何で？」

「…」



そう言うと、陽ちゃんは。

本当に鈍感で…いや、そういうフリをしているのか。もしかしたら。

真っ黒なお腹のなか。自分から見せる用で、かっこわるいけど。

頭の上にあまりにもたくさんの？マークを浮かべるから、あたしは呆れたように…言った。



「陽ちゃんのことも大事だったの。あたしは」

「…」

「本当は陽ちゃんのことも、ちゃんと好きだったの！」

「！」

「…だから、奈央ちゃんに嫉妬して、陽ちゃんの性格も利用して。おまけに…奈央ちゃんにずっと…嫌がらせのラインも、送ってて」

「！」

「今頃…怯えてると思う。本当にごめんなさい。でももうしないから…反省してる」



あたしはそう言うと、意を決して、陽ちゃんに。

その証拠のスマホ画面を見せた…。