高桐先生はビターが嫌い。
…まさか、高桐先生がここでキスをしてくれるなんて思わなくて。
これがキスだとはっきりわかるまで、そんなに時間はかからなかったけど。
数秒くらい、重なったままで。
高桐先生のいきなりの行動に、ビックリする後藤先生の隣で。
ふっと唇が離れたと思ったら…今度は、ぎゅっと抱きしめられた。
「…好きだよ、奈央」
「先生…」
「俺、これからも奈央が好きだから」
また会えたら、その時も一緒にいよう。
そう言って、耳元で囁いて。
あたしも、その背中に両腕を回す。
「…先生、あたしも」
「!」
「あたしもずっと、先生のことが好き」
そう言ったあと、やがて体を離して。
最後に、高桐先生にも手を振る。
泣きそうになるのを、まだ堪えて。
2人に背を向けたあと、あたしはようやくその場を離れた…。
…………
「忘れ物はない?奈央」
「うん」
その後。
お父さんが待ってくれている駐車場に行くと、そこにはエンジンをかけたままお父さんが待ってくれていて。
車の扉を開けた瞬間、冷房の涼しい風が体を包む。
外は暑すぎたから、凄く気持ちがいい。
すると助手席でシートベルトを締めるあたしに、お父さんが言った。
「お別れは?もうしてきたの?」
「うん。後藤先生と高桐先生が、見送ってくれたよ」
「そっか…高桐先生が、」
「…、」
あたしがそう言うと、お父さんが早速車を走らせようとする。
あ…そういえば、お父さんって高桐先生と一回会ってるんだっけ。
あたしがそう思っていたら、お父さんが言った。
これがキスだとはっきりわかるまで、そんなに時間はかからなかったけど。
数秒くらい、重なったままで。
高桐先生のいきなりの行動に、ビックリする後藤先生の隣で。
ふっと唇が離れたと思ったら…今度は、ぎゅっと抱きしめられた。
「…好きだよ、奈央」
「先生…」
「俺、これからも奈央が好きだから」
また会えたら、その時も一緒にいよう。
そう言って、耳元で囁いて。
あたしも、その背中に両腕を回す。
「…先生、あたしも」
「!」
「あたしもずっと、先生のことが好き」
そう言ったあと、やがて体を離して。
最後に、高桐先生にも手を振る。
泣きそうになるのを、まだ堪えて。
2人に背を向けたあと、あたしはようやくその場を離れた…。
…………
「忘れ物はない?奈央」
「うん」
その後。
お父さんが待ってくれている駐車場に行くと、そこにはエンジンをかけたままお父さんが待ってくれていて。
車の扉を開けた瞬間、冷房の涼しい風が体を包む。
外は暑すぎたから、凄く気持ちがいい。
すると助手席でシートベルトを締めるあたしに、お父さんが言った。
「お別れは?もうしてきたの?」
「うん。後藤先生と高桐先生が、見送ってくれたよ」
「そっか…高桐先生が、」
「…、」
あたしがそう言うと、お父さんが早速車を走らせようとする。
あ…そういえば、お父さんって高桐先生と一回会ってるんだっけ。
あたしがそう思っていたら、お父さんが言った。