高桐先生はビターが嫌い。
“今日の合コン、いきなり一人ドタキャンされたんだけど。俺入れて2人しか集められてない。そっちは?”
…そんな文章に、あたしは思わず目を丸くする。
こっちはちゃんとあたし含めちゃんと3人集めたっていうのに。
友達がいないからネットで集めて、頑張ったのに。
あたしはそう思いながらも、相手に返信をする。
“約束通り3人だよ。2人とか困る!”
そう打って、すぐに送信。
そしたら「じゃあ頑張って集める」といった返信がきたから、思わず胸をなで下ろした。
…今思えば、あたしもドタキャンした方が、良かったのかもしれない……。
あたしは初めての合コンに胸を躍らせると、地獄のような教室に向かった…。
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チョークの粉だらけの制服のままマンションに帰ると、あたしは即座にお風呂に入った。
最悪だ。
これも全部、あの嫌がらせの黒幕である“市川英里”のせい…。
あの後。職員室から教室に戻ると、あたしはクラスメイトの女子達から黒板消しで体を叩かれた。
何かされるとわかってはいても、実際にやられるとやっぱり心が重たくなる…。
こうやっていじめに遭っている原因は、ただ一つ。
わかってはいた。
男子生徒に“かわいい”と噂をされ、それを面白くないと思っている女子達からの嫌がらせだ。
そしてその黒幕は、同じクラスの市川英里。
彼女の容姿はかわいいけれど、見た目が派手で目つきも少しキツイ。
だけど先生たちには、彼女の名前は出さない。
…別に庇っているわけじゃないけど。
あたしは汚くなった髪の毛をシャワーで流すと、早速湯船に浸かった。
はぁ…いい加減、“同じ人”に。誰でもいいから、隣にいてくれる毎日が欲しい…。