一途な御曹司に愛されすぎてます
プロローグ
南欧風の洒落たインテリアに囲まれた室内は、すでに夜の気配に包まれていた。
湾側に面した大窓から眺める、幻想的にライトアップされたプールと綺麗な星空は、このリゾートホテルの大きな売りのひとつだ。
でも高級ベッドに仰向けに横たわっている私の目には、残念ながらその素晴らしい景色が映ることはない。
私は今、世にも眉目秀麗な男に強引にベッドに押し倒され、体全体で覆い被さられているところだから。
「階上(はしかみ)さん、やめてください」
「やめない。それと、俺のことは名前で呼べ」
薄闇の中で短い会話を交わしながら、心臓は今にも破裂しそう。
どうやってここから逃げ出そうかってことばかりを考えている。
出入口の扉のカギはロックされている。
しかもここはホテル本館からは隔離された、ヴィラタイプのスイートルームで周囲に人影はない。
おまけに私を押さえつけているこの人は、このリゾートホテルを運営している企業の御曹司様だ。
完全にアウェイ。どう考えても私に勝ち目はない。
それでも私は一縷の望みを託して彼に懇願した。
湾側に面した大窓から眺める、幻想的にライトアップされたプールと綺麗な星空は、このリゾートホテルの大きな売りのひとつだ。
でも高級ベッドに仰向けに横たわっている私の目には、残念ながらその素晴らしい景色が映ることはない。
私は今、世にも眉目秀麗な男に強引にベッドに押し倒され、体全体で覆い被さられているところだから。
「階上(はしかみ)さん、やめてください」
「やめない。それと、俺のことは名前で呼べ」
薄闇の中で短い会話を交わしながら、心臓は今にも破裂しそう。
どうやってここから逃げ出そうかってことばかりを考えている。
出入口の扉のカギはロックされている。
しかもここはホテル本館からは隔離された、ヴィラタイプのスイートルームで周囲に人影はない。
おまけに私を押さえつけているこの人は、このリゾートホテルを運営している企業の御曹司様だ。
完全にアウェイ。どう考えても私に勝ち目はない。
それでも私は一縷の望みを託して彼に懇願した。