一途な御曹司に愛されすぎてます
「矢島様。私はこれ以上ないほど本気です。なにがなんでも私の申し出を受けていただきますので、その旨ご了承ください」


 疑いの目で専務さんを見ていたら、凄みのある声でそんな宣告をされてしまった……。

 射貫かれそうなほど強い視線で見つめられて、告白と言うよりも脅されているみたいで肝が冷える。

 まるで嘘みたいな話だけれど、この迫力からしてどうやら彼は本気のようで、さすがに私も本格的に慌て始めた。

 どうしよう。本気なら本気で余計にタチが悪い。


「お気持ちはありがたいですけれど、お受けできません」

「それは納得できません」


 間髪置かずに返されて、思わず心の中で突っ込んだ。

 いや、納得できないって、それはこっちのセリフなんだけど!


「……初対面の相手にいきなり交際を申し込まれても、受けるわけがないでしょう?」


 深呼吸して少し冷静さを取り戻した私は、専務さんの目を真っ直ぐ見返しながら、噛んで含めるように当然の道理を諭した。
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