一途な御曹司に愛されすぎてます
「悠希さん。悠希さん」

 悩ましく彼の名を呼べば、切なく熱い感情はどこまでも高まり、頭の芯が痺れていく。

 シャツとブラウスの生地を通して混じり合う体温が、まるで私たちの心のよう。

 ふたりの息遣いしか聞こえない静寂の中で、私は今度こそ正直に自分自身の感情と見つめ合う。


 もうこの気持ちからは逃げられない。目を逸らしたくない。


 今にも破裂しそうな鼓動を抱え、しっかりと彼の背中に両腕を回して、覚悟を決めて自分から彼に口づけた。

 ピクリと体を震わせた彼が歓喜したように応えてくれる。

 お互いに何度もキスの雨を降らし合った後で、彼が私を抱き上げてバスルームへ運んでいく。

 身に纏うすべての布地を剥ぎ取られる羞恥と抗いは、彼の熱い瞳が許してくれなかった。


「待って。ちょっと待ってください」

「もう一分一秒だって待てない」

「違うの。シャワーの前に指輪を外したいんです」

「だめだ」

 彼は私の頭の後ろに手を回し、噛みつくようにキスをする。

「その指輪はキミが俺のものだという証だから、外すことは絶対に許さない」
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