一途な御曹司に愛されすぎてます
「ごめん、今なんて言ったの?」

「俺たち、もう一度やり直そう」


 私は口をポカンと開けて、元彼の顔を穴が開くほど眺めた。


「それ、冗談よね?」

「本気だよ。やっぱり淳美が一番だ。だからもう一度やり直そう」


 私は大きく口を開いたまま絶句した。

 あんな別れ方をした後で平然と復縁を迫ってくるなんて、どういう思考回路をしているんだろう?


「……康平、それは無理よ」

 私は額に指先を当てて、いろんな感情を抑えながら当然の答えを返した。

 そしたらケロッとした声が返ってくる。


「なんで? 俺たち、親に紹介するまではうまくいってたろ? なにが問題なんだよ?」


 なんでって、だからそこを説明しないとわからないところが問題なんだけど!
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