一途な御曹司に愛されすぎてます

「ねえ、康ちゃん。もしかしてこの子と示し合わせていたんじゃないでしょうね？」


「えぇ!?　まさかあなたたち、まだ続いていたの!?」


　お姉さんたちの口調に刺々しさが増す。

　嫌悪感丸出しの言い方から、これからこの人たちが私に何を言おうとしているか嫌というほど予想ができて、冷たい汗が手に浮き出た。


　でも私はもう、一年前の私とは違う。

　いわれのない言いがかりに反論しようと身構えたら、横から康平が口を挟んだ。


「示し合わせたんじゃなくて、ここで偶然会ったんだよ。でもちょうどよかった。俺たちもう一度付き合うことに決めたから」

「……はい!?」


　私は目を剥きながら康平の方に振り返った。

　いつ、誰が、誰ともう一度付き合うことになったって!?　勝手に決めつけないでよ！

　呆気に取られている私の目の前で、康平が真顔で姉たちに説明している。


「今ここで、ふたりで話し合って決めた。淳美は俺に相応しい嫁になるように努力するってさ。なあ、淳美。そうだよな？」


「そ、そうだよなって、私は、そんな……」