一途な御曹司に愛されすぎてます
「お待たせしました」

 ちょうどウェイターが前菜を運んできて、話はそこで中断した。

 さあ、いよいよお食事開始だ。

 セレブな専務さんの前でマナー違反をして恥をかかないよう、しっかり気合いを入れないと。

 肩に力を入れる私の目の前に、ウェイターが滑らかな動作でシンプルな白いお皿を置いた。


「わあ、綺麗」

 思わずそんな声が出るくらい、本当に綺麗な盛り付けだ。

 エビとアスパラを飾るジュレが、うまい具合にシャンデリアの明かりに照らされてキラキラ光って、まるで宝石みたい。

 レッドペッパーやパプリカの彩りも美しく、見ているだけで気分が華やぐ。

「いただきます」

 さっそく食べてみると、ジュレの甘酸っぱさと香草の爽やかさが、エビの濃い旨味やアスパラのしっかりした甘味と相性抜群だった。
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