嫌いな君を好きになる……
「あの、私帰りますね」


「おい、待てよ。

お前さあ俺の姫になれ」



狼に似た天が、喋った。


「姫………?

なんですか、それ」


思わず間抜けな声が出る。



「天龍って名前の暴走族の総長してるんだ。

天龍の護るべきモノになれ」



「暴走族…………?



ーーー嫌です‼


私、暴走族嫌いです。失礼します」

はあ?


今、なんつった?


急に怒った桜は、スタスタと歩いていく。


え、さっきの泣いてた可愛い桜はどこ言った?


「おい、待てよ‼」

つか、一人で帰されるかよ。



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