嫌いな君を好きになる……
「重いですよね」

「全然軽いよな。気にしなくていいよ。
君を守るのが俺の役目だから」


私を守るのが………?

なんで私なんてーーー。


「テメー、桜ちゃん返せよ」


ボロボロになった男が、私の腕を掴もうと手を伸ばす。

「…………ッッ」


パシッーーーー


その時、真くんがその腕を掴んだ。


満月に照らされた彼の横顔が、ものすごく綺麗だった。


「やめてくんない?そう言うの。
怯えてるじゃん。
嫌いなんだよな、そう言うの。
ムカつく……」


さらにきつく男の手を握る。

まるで腕を簡単にへし折るような、ミシリとした音がした。



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