嫌いな君を好きになる……
「桜…………大丈夫か?」


どうしてっっ、助けに来たの?


こんな私のことほっとけばいいのに。

勝手なことをしたからこうなったって、罵ればいいのにーーー。


「真くんごめんなさい。

逃げ出して迷惑かけてごめんなさい。

怒ってる?」


少しだけ真くんの目が、怖かった。

ずっと黙ってすぐ横にいて、なにも言わない。


真くんが、私をジッ、と見た。


ーーーーグイッ


「きゃっ」


いつもの様に私をお姫様抱っこした。



「桜、心配した。
もう、離れんな」



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