嫌いな君を好きになる……
晴輝が、怒鳴るのは珍しい。

晴輝は基本ニコニコしてるからか旬が驚いた顔をしてる。



「旬、離してっ」



か細い君の声が聞こえた。


君の手を離したくなかった。



「ありがとう、旬」



自然と気づかないうちに、手を離していた。


「今日はやっぱりひとりで帰る。
ごめん」

俺の隣には君が居た。



気づいたら、奴らのもんになっていた。



「旬………?」



君の声が聞こえた。


振り向きたくない。
振り向けない。


< 93 / 216 >

この作品をシェア

pagetop