蟲と世界
はっ
 ベッドの上で目が覚めた。寝ていたようだ。体中から汗が出ている。ビショヌレ。自分が来ていた寝間着も濡れている。ところで今は何時だろう。五時半。三十分早く起きてしまったようだ。今から着替えるのもめんどくさいし、携帯でも見ようか。充電していたスマホをとり、動画サイトを見始める。昨日の深夜であげられたものを見ていると、昨日編が説明していた出来事についての動画がたくさんあげられていた。再生回数も多い。そんなに大きい事件だったのか。急上昇ランキングもトップだった。
普通ならこういうのはSNSを見るのだろうがそんなのはしていない。嫌いというより興味がない。
 時間になったので、制服を着替え始める。二年も使っているのでさすがに色あせていた。そういえば最近。季節的にはまだ春なのだが、夏日がここの所続くので、学校は合服でもよいということにしたな。というわけで私はそれを着ることにした。勝手に炊いたご飯にふりかけをかけて食べ始める。ご飯を食べていると私の携帯が鳴る。
 編からだった。
『愛守香ちゃんへ。今日うちの編が高熱を出して学校へ行けません』
「えっ」
 思わず声を出してしまった。今日は天変地異でもおこるのだろうか。編が休むなんてのは正直言って今日が生まれて初めてだった。普通は休むくらいの熱があっても絶対に学校に来る編。勉強大嫌いって言っていたのに。よほどの高熱だろう。
 学校のみんなもビックリするだろうな。
『わかりました』と打っておいた。
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