キミのせいだよ( 幼馴染じゃいられない )



お願い、もうやめてよ……!



「あっ、悠翔!!!」



一斉に振り向くオーディエンス。

炎天下に光り輝いた、金属製のバトンを受け取った悠翔。



その女子達も、争いを一時的に中断して皆そちらに視線を注いでいる。

沸き立った黄色い歓声が、耳元を劈いた。



君の姿が眩しくて、ついそのジャージの余った袖で頬を挟んだ。



「……がん、ばれ…………。」



ポツリと、声になるかならないか程の言葉が漏れ出す。

それを莉兎がキャッチした。



「ふーん……なるほどね♪」


< 102 / 110 >

この作品をシェア

pagetop