キミのせいだよ( 幼馴染じゃいられない )
お願い、もうやめてよ……!
「あっ、悠翔!!!」
一斉に振り向くオーディエンス。
炎天下に光り輝いた、金属製のバトンを受け取った悠翔。
その女子達も、争いを一時的に中断して皆そちらに視線を注いでいる。
沸き立った黄色い歓声が、耳元を劈いた。
君の姿が眩しくて、ついそのジャージの余った袖で頬を挟んだ。
「……がん、ばれ…………。」
ポツリと、声になるかならないか程の言葉が漏れ出す。
それを莉兎がキャッチした。
「ふーん……なるほどね♪」