キミのせいだよ( 幼馴染じゃいられない )



君はアンカーで、バトンを受け取った時点では三位。

直近の二位の走者を抜かしたのは間もない。



長い脚で地面を蹴り進む姿が、あまりにも美しかったから。

……ちょっとだけ、女子達のキモチが分かってしまった。



縮まりゆく一位走者との差。



……頑張れ。



「蒼井君、頑張れー!」

「あと少し!抜かせーーー!」



そして、ゴールテープが揺れた。

……切ったのは、ほぼ同時だったんじゃないかな?



ラスト、衝動的に目を瞑ってしまった。


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