キミのせいだよ( 幼馴染じゃいられない )



ドキドキと、意味も分からず胸が高鳴った。

知らず識らずの間に組まれた両手が、膝上で汗を握る。



「……ヒナ、おめでとう!」

「え?」



震える瞼をそっと抉じ開ける。



《第2レース一位、1年S組ーーー……!》



ふらふらと、足腰の力が抜けてその場に座り込んだ。



ガッツポーズを突き上げる者、感動で涙を拭う者、様々な様子の生徒達。

中心には、君がいて。



「はぁ……安心した。おめでとう、悠翔……!」


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