キミのせいだよ( 幼馴染じゃいられない )
「悠翔は、ただの幼馴染じゃないよ。」
……振り絞った声音は、思いも寄らぬ角度へと色を変えて。
抑えようと必死に試みた台詞、一度吐いたら止まらないんだ。
「そんじょそこらのファンよりずっと……わたしが一番、悠翔のこと大好きだもん!!!!!!」
今迄君に告げた数々の "好き" よりもっと深く、重く、激しく響いた。
悠翔も、流石に驚いたように目を開き、そのポーカーフェイスを崩す。
綺麗な黒の瞳に浮かんだ動揺の色には、どんな意味があるのかなんて……今はまだ知りたくなかった。
「だって16年間ずっと、わたしが一番近くで見てきたんだよ……!」