キミのせいだよ( 幼馴染じゃいられない )
余った袖に隠れた掌が、小刻みに震えた。
「ヒナ………!」
完全に、言ってしまってからハッとした。
脳内で繰り返される自分自身の声色が、まるで憎らしい程に響いてる。
「……結局、あんたは蒼井君の何なの?ただの幼馴染なんじゃないの?!」
冷たく響いた朝比奈さんの一声が、わたしの涙腺を勝手に侵食していく。
……今は、絶対泣きたくないのに。
潤んだ瞳を隠すように、わたしの両目に手を回して悠翔がわたしを引き寄せた。
「俺の、幼馴染だよ。……今はね。」
降り注ぐ君の台詞が、何故だかわたしの胸を締め付けた。
……どうして、今は君の側にいるのがこんなに苦しいんだろうか。