キミのせいだよ( 幼馴染じゃいられない )
それから、ふーん!とだけ強気に言い放った彼女達が先にその場を後にした。
空気を読んだ莉兎も、近くを通りかかった彼女の幼馴染に吸い寄せられるように去っていった。
「……何で泣いてんの。」
君の掌に沁みた涙。
……わたしの心を映したように、重くて、黒くて、ぐちゃぐちゃしてて。
「悠翔のせいだよ……」
時々嗚咽が漏れそうになるのを、必死に我慢して。
一々君にドキドキしたり、君の言葉の意味を深く考えてしまったり、敏感に傷付いて勝手に泣いたり、今日という日が懲り懲りだ。
「フ、何それ。ジャージ返して貰おうとしたけど……ちょっと寒いから明日でいいよ。」
家の玄関に投げといていいから、なんて一言だけ添えて、去って行く。
……その遠ざかる後姿を見つめて、何故だかもう一度君に触れたいなんて、思ってしまって。
「悠翔はわたしの "幼馴染" じゃないの……?」