キミのせいだよ( 幼馴染じゃいられない )



「……ねえ、わたしと距離を置こうとか思ったりしないの?」



……普通の"幼馴染"なら、中学生くらいでお互い気不味くなって話さなくなってしまうらしい。

きっと、わたし達は異常だ。



「……それは、今のところまだ無理。」

「な、なんで?えっと、どういうこと……?」



口元に指を添えて少し上品に笑う癖も、その時に少し伏せられた長いまつげも、スッと通った鼻筋が綺麗なその横顔も。

全部全部、わたしが一番知っているんだ。



「……秘密。」



薄くて艶めいた唇に人差し指を添えて、私の方に笑い掛けた。

こんなに美しく微笑み掛けられたら、わたし以外の女子が見たら絶対好きになってしまう気持ちも分かる。



……わたし?わたしは絶対に好きにならないよ。

だって二人は生涯幼馴染だからね。


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