キミのせいだよ( 幼馴染じゃいられない )
ーー……入学式、桜の雨が美しかった。
秒速で過ぎ去った春休み、一人抱えた不安や鬱憤も全部持ち越して来たハズなのに。
机に両肘をつき手を頬に当て、まるで乙女みたいなポーズで空を仰いだ。
「……くっ、副会長かっこよかったな〜〜。」
突然の予期せぬ出逢いに、ブルー一色だった全身に淡い桃が滲んだ。
不意に漏れた一言を、後ろの席の子が拾い上げた様子だった。
「えぇ〜〜っ、そうかな?ちょっとチャラチャラしてて胡散臭〜〜い。」
振り返ると、机に突っ伏して顔を上げた可愛い子が、眉を釣り上げてこちらをじっと見つめていた。
わあ、ほんとに可愛い子だな……。