キミのせいだよ( 幼馴染じゃいられない )
ーー……放課後。
「悠翔〜〜〜!帰ろっ」
終礼のチャイムを待って、廊下の最奥のクラスに駆け込んだ。
わたしたちの地元でも悠翔の志望校でもあったここ、私立希都(キド)学院。
……わたしも猛勉強して、頑張って入ったんだ!
まあ、わたしは普通科のA組で悠翔は特進クラスのS組だけどね。
「あれ、悠翔ーー……?」
まだ躊躇いを感じる知的な空間に無意識的に一線を引く。
開け放たれたドアから入らずに、顔を出してその姿を探した。
……おかしいな、見当たらない。
「あっすみません、このクラスに蒼井っていますか?」
近くにいた真面目そうな眼鏡男子に問えば、あれ、と少し無愛想に女子の山を指差された。
……って早速、囲まれてるじゃんね!?