キミのせいだよ( 幼馴染じゃいられない )



「……待って、帰るよ」



パシ、と音を立てて、悠翔がわたしの手首を掴んで引き留めた。

周囲の女子の視線が一斉にわたしに刺さったのを、全身で体感する。



「え、蒼井くんこの子彼女ー?」

「ちょっとショックなんだけど!マジ?」



……ああもう。

こんな言われようにも既に慣れっこだけど、ね。



「あー違う、幼馴染。ごめん、俺帰るね」

「なんだー。じゃあ狙っちゃおうかな!?」

「え〜〜ずるい!あたしが先に声掛けた!」


< 20 / 110 >

この作品をシェア

pagetop