キミのせいだよ( 幼馴染じゃいられない )
グラウンドとギャラリーを隔てるフェンスに群がり黄色い歓声を上げる女子生徒達を他所にギャーギャーと言い合っている最中、視界を素早く影が過って反射的に身を屈めた。
「あ……っ、ヒナ!危ない!」
ゴンッ
骨の表面で鈍い音が掠れた。
「痛いっ!?」
……どうやら、飛んで来たサッカーボールが腰元に直撃してしまったらしい。
唐突な衝撃に耐えきれなかった足腰から、硬化なアスファルトに崩れ落ちた。
寄りかかっていたフェンスが、ガシャン、と軽やかに音を立てる。
「ヒッ、ヒナーーーッ!保健室……あっ、こういう時って救急車が必要なの!?」
……意識は、あった。
ただ、飛んで来たサッカーボールを追った先輩の視線が、こんな鈍臭い私を捉えてたら嫌だなって。