キミのせいだよ( 幼馴染じゃいられない )



彼らの努力や汗が深く滲み入ったそのボールは、想像していたよりもちょっとだけ、重かった。

手渡した際に、指先が触れてしまう。

触れられた箇所から、熱が全身を駆け巡った感覚。



「ありがとう!」



不特定多数の一部のファンじゃない、私だけに向けられたそのキラースマイルを心の奥隅に焼き付けた。

遠去かり行く背中が狂おしい程に愛おしくて、気がつけば貴方が大好きだ。

……なんて、出会ってまだ2日なのにね。



「ごめんごめん、救急車は要らな……って、あれ!?莉兎!?」



焦って周辺を見回すけど、隣にいたハズの莉兎の姿が無い。

……畜生、絶対に先に帰られた。


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