キミのせいだよ( 幼馴染じゃいられない )
朝から他愛の無い会話で盛り上がっていると、不意に横を過った生徒にデコピンされた。
「いてっ……あ、悠翔!」
「おはよう陽咲。」
数日振りに見たその顔、全然変わってない……って、当たり前か。
いつも私がいたポジションがいつのまにか、男友達にすり替わっててちょっぴり悲しいな、なんてね。
刺激を受けた箇所が、ジワリと鈍く痺れる。
「イケメンだから暴力ふるっていいなんて法律無いからね!バカ!」
握った拳を上下に振り回しながら、去り行く背中に向かって文句を吐いてみる。
首だけ後ろに回して、フフ、っていつもみたいに微笑んで、行ってしまった。
「……ちょっとちょっと!幼馴染君聞いてた通りの超イケメンじゃん!」
莉兎が、身震いしながら頬に手を当てた。
「でもまあ莉兎は、ユウヒ以外の男は全員嫌いだけどねっ!ほら、莉兎達も行こう!朝礼始まるよ!」