キミのせいだよ( 幼馴染じゃいられない )



朝から他愛の無い会話で盛り上がっていると、不意に横を過った生徒にデコピンされた。



「いてっ……あ、悠翔!」

「おはよう陽咲。」



数日振りに見たその顔、全然変わってない……って、当たり前か。

いつも私がいたポジションがいつのまにか、男友達にすり替わっててちょっぴり悲しいな、なんてね。

刺激を受けた箇所が、ジワリと鈍く痺れる。



「イケメンだから暴力ふるっていいなんて法律無いからね!バカ!」



握った拳を上下に振り回しながら、去り行く背中に向かって文句を吐いてみる。

首だけ後ろに回して、フフ、っていつもみたいに微笑んで、行ってしまった。



「……ちょっとちょっと!幼馴染君聞いてた通りの超イケメンじゃん!」



莉兎が、身震いしながら頬に手を当てた。



「でもまあ莉兎は、ユウヒ以外の男は全員嫌いだけどねっ!ほら、莉兎達も行こう!朝礼始まるよ!」


< 48 / 110 >

この作品をシェア

pagetop