キミのせいだよ( 幼馴染じゃいられない )
ーー……放課後、悠翔の左隣が定位置。
いつものように二人並んだ路地裏で。
『陽咲……俺に、彼女が出来たんだ。』
夕日に染まってオレンジに色付く君の頬。
"そうなんだ、良かったね。応援してるよ。"
脳が紡いだはずの台詞を、何故か心が吐かせてくれないんだ。
好き、だけど君は幼馴染なのに。
『悠翔!やだ……やだよ、行かないで!』
……わたしの恋を応援してくれた君は、どんな気持ちだったの?
いくら走って追おうとも、遠ざかる君の背中には追いつけない。
向かい風が涙を顔全体に伝わせた。
『一人にしないで……!苦しい、苦しいよ……』
……当たり前の存在だった君が、いつか離れていくのが怖いんだ。