キミのせいだよ( 幼馴染じゃいられない )



もし、俺が"好き"って言ったらどうする?

……きっと、真っ赤になって困惑してしまうに違いない、想像は容易い。



君が時々伝える "好き" が、幼馴染として、だって事は何年も前から承知済みだ。

なのに、彼女に恋人が出来た時も、このポジションを手放した事なんてない。



"応援する"だなんて口だけだ。



……俺が君を傍に置いて離さないのも全部、わざとだよ。



「……後悔しても、知らないよ。」



窓から差し込む光が澱む透明のグラスの、一口分の水を薬と一緒に流し込んだ。



後ろ手にカーテンを締める音が、やけに重かった。



彼女の横に手をついて、後頭部を持ち上げる。


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