キミのせいだよ( 幼馴染じゃいられない )



君の考えている事が、まだわたしには分からなかった。

悠翔はわたしの気持ち、全部汲み取れる癖に……。



「……目、逸らすのは有罪。」

「だって、近いんだもん……!そんなに悠翔のこと見てたら、わたしは……!」






……君のこと、好きになってしまいそうだ。






ドキドキと、あり得ない速度で鼓動が脈打つ。

やり場のない視線。



「だから、こっち向いてって言ってんの……。」



悠翔が、わたしの額を抑えて無理矢理正面を向かせた。

落ち着いた声色が、耳元に響いた。



……そして指先で、唇をなぞられる。


< 96 / 110 >

この作品をシェア

pagetop