キミのせいだよ( 幼馴染じゃいられない )
「分かんないならもう一回、キスするよ。……いいの?」
わたしの目線が君の艶っぽい唇を捉えて、心臓が大きく脈打たれる。
サラサラと綺麗な黒の前髪が、わたしの目元を掠めた。
……ドキドキして、今すぐ死んでしまいそうだ。
"どういう意味か" なんて、幼馴染として好きなんだって決まってるじゃん。
それは、君も良く分かってるんでしょ?
……なのに、どうして。
「なんで……そんな事、聞くの……?」
喉元を裂くように、弱々しく声が溢れた。
嗅ぎ慣れた君の甘い柔軟剤の香りも、今じゃドキドキする一方で。
……その瞳の奥に、何を写しているんだろうか。