1%の甘さで
「じゃあ、私たちこっちだから。じゃーね」
「気をつけて帰りなさいよ?寄り道せずに。」
手を振るひとみんと杏里。
私と家が反対方向なんだよねー。
てか杏里は私がまだ寄り道すると思ってんの!?
もう高校1年生なんですけど!!
言わないけどね。
…杏里に1言い返したら100言い返されるから。
「じゃーね!また明日!!」
そう言って歩き出す。
毎朝、私たちはお兄ちゃんと4人で一緒に登校することになった。
今日は私とお兄ちゃんが寝坊して、2人には先に行ってもらったけど…。
明日からはちゃんと起きるからね!?
昨日はたまたま高校入学が楽しみすぎてなかなか寝れなかったから起きれなかっただけで…、。
お兄ちゃんは普通にいつも遅刻魔だけど。
多分明日からは遅刻しないだろうな。
杏里と一緒に学校に行けるから。
私が4人で行こって言うまでカップルなのに別々に行ってたらしいからね〜。
なんでも杏里は2人で行くと目立つから行きたくない、と。
それに学校では杏里がベタベタしたくないというお兄ちゃん泣かせの条件でみんなに“仲良い友達”だと思われているらしい。
杏里らしいけどね…。
苦笑いをこぼしながら路地を歩く。