1%の甘さで
「はい、これで仕上げのリップ塗って終わり!」
今度は無理やり顎を掴まれて上を向かされる。
スティックタイプのリップを丁寧に塗られて鏡を見ると。
「え、嘘……別人みたいだけど!?」
なんといつもより盛れてる私がいた。
たまに休日にメイクをすることはあるけど、ここまで変わったのは初めてて驚く。
「私の手にかかればこんなもんよ!」
自慢げにニヤリと笑う莉央に姉御!って無性に呼びたくなった。
すごい!
莉央、美容系の道も向いてるんじゃない!?
「ありがとう!!これで自信持って優哉先輩にアタックできるよ!!」
「まー、競争率はえぐいけど頑張って!」
「うっ、現実見せてくんなあ!!」
メイク道具を片付けながら、適当に相槌を打つ莉央の一言にダメージを喰らう。