1%の甘さで

「お兄ちゃん、もう行くよ?」



なんたって今日から杏里とひとみんと一緒に学校に行くからね!



私はもう準備万端さっ!!




「ちょっと待てよ!お前が先行くと俺が置いてかれるだろ!?」



必死に顔の跡を消そうとしているお兄ちゃん。




「消せないでしょ?はい行こうすぐ行こう!」




私が顔以外は完璧なお兄ちゃんをズルズル引きずって玄関まで行く。




「マジで消えねぇ〜…」




諦めた様子のお兄ちゃんに慰めの声をかける。



「ほらほら、縦線が入ってもカッコいいからいーでしょ。」




そう言うと、それもそうだなって顔をするのがいつもの単純なお兄ちゃんなんだけど…うざい。



ナルシスト野郎だからね。



顔は整ってても所詮ナルシスト。




冷めた目でお兄ちゃんを見て、私はドアを開けた。

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