1%の甘さで


「いってらっしゃーい」




リビングからお母さんの愛がこもったいってらっしゃいをもらい、


「いってきまーす!」





そう言って、まだ自分の容姿に酔ってるナルシストバカ兄貴をほっといて外に出た。




「はっ!?茉莉待てよ!!」




追いかけてくるお兄ちゃんにため息をこぼす。




あー、もう昨日の優哉先輩とは同じ2年生でも全然違う。




そう、隣の縦線ナルシスト野郎に対して思う。




「そういえば、なんで昨日教室回ってたんだよ?」





ぎくっ…!



あまり触れられたくない噂…、話題に顔がひきつる。






「…えー?」



2年前のことはお兄ちゃんには言ってない。




言ったら絶対うざいぐらいからかってくるわ、この兄のことだから。




谷田優哉先輩を探してましたなんて絶対言わない!




「なーなーなーなー!」



聞こえなかったふりをして黙ってると、なーなー言い出した。




うわ地味にうざいやつだ…。


< 21 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop