1%の甘さで


「優哉先輩…どうしてここに?」



暴れ出している心臓をなんとか抑えて、平然を装いながら聞いた。



「俺は………」



妙に言葉に詰まってる優哉先輩。



ん?なんか言いにくそう??



すると、さっきまで私を警戒して近づくことを許してくれなかった猫ちゃんがトットットッと軽い足取りで優哉先輩の足元に近寄った。




え!?



優哉先輩に…懐いてる!?




「…」


「…」



何か言いたそうな顔をする私と気まずそうな顔をする優哉先輩。




しばらく沈黙だったが、その顔に観念したのか…優哉先輩はため息をついて話し出した。



「この猫、3月頃からここにいた。」



3月頃から?



今は4月だから約1ヶ月くらいここにいたのか。




でもなんで1ヶ月もここにいて優哉先輩以外に誰にも見つからなかったんだろう。



誰かに見つかってたら追い出されるよね?




「もしかして…優哉先輩がお世話してたんですか?」



そうとしか思えない。



じゃなきゃ、1ヶ月もここでただ過ごしてたらこんなに元気そうじゃないだろう。




「……あー、そうだけど」



私が昨日、襲われそうになってた場面でも全然動揺してなかった優哉先輩が今動揺してる!!

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